
日付:2004/09/13
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☆質問に答えよう
個別部門の評価の仕方(TDDとIDDはどう使う?)
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東京都の丹治さんからのご質問です。
DBRや、スループット会計による管理会計、クリティカルチェーンに
よるプロジェクト管理。いろいろと試すのですが、なかなか思うように
いきません。
先日本屋で「会社が変われない本当の理由」(東洋経済新報社発行、内
山春幸氏、中井洋子氏著)と言う本を見つけ、読み始めました。TPの
具体的な説明が判り易く説明されており、参考になっています。
その中にTDD (Throuput Doller Days)とIDD (Inventory Doller Days)
と言うのが出てきました。Local Measurementの為の物差し(指標)とし
て紹介されています。
弊社は、一品完全受注生産の形態を取り営業部、技術部、生産部と3
つの機能的組織から構成しています。この3つの組織の人たちの評価
方法を検討しています。
とある経営コンサルタントがとあるセミナ講習会で、部門毎の成績を
理論的に評価しろと言っていました。それをTOC流に考えたく思って
います。
例えば、技術部のTDDを測定する。と言う事は正しのでしょうか?
図面の出図日がPERTチャートから決まります。これから遅れたら(遅れ
た日数)×(そのオーダのT)で計算をする。この数字の少ない部門、人
が勝ち、みたいな。
設計の時点では未だIは発生していないのでIDDは出来ないけれど。製
造は各工程の担当グループや人毎にTDDとIDDの少ないところが良い。
Throuputを競うと言うのはどうも理解に苦しむのです。Tは皆で作るも
のです。例えばT=100円のオーダがあったと仮定します。その内20円を
営業が作り、50円を技術が30円を製造が、と言うことは言えない。よ
って100のTを3日余計に寝かせたから300円日(これは減点対象)。
少なきゃ勝。こう言う方法は成り立つのでしょうか?
従来の原価でやることは出来ます。設計で100時間使った。1時間の時間
単価いくらだから設計担当はいくら使った。これは目標に対して多いの
少ないのと考える事はできます。
でもこれは部分最適に走る基。やりたく無い。と理解しています。
もう一つ、仮に上が成り立つとしましょう。TDDを小さくする方法は二つ
です。一つは遅れを無くす。もう一つはTを小さくするなんて悪い奴が出
てきませんか?余計な材料を買って。単に心配性?それとも間違っている?
宜しくお願いいたします。
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かなり長い質問ですが、まさに私が日常コンサルティングの現場で必
ず遭遇する質問でもあります。
まずちょっとおさらいをしましょう。
TDD (Throuput Doller Days)とは
スループット・ダラー・デイズは特定の日までに特定のオーダーを出荷
することに失敗した実績を測定する尺度です。換言すれば、納期遵守の
度合いの尺度です。
この尺度の定義は、納期に遅れたオーダーに、そのオーダーのスループ
ットの大きさを対応づけ、それにオーダーの遅れた日数をかけて得られ
た数値です。つまり、100万円のスループットを持つオーダーが、10日
遅れれば、1000万円という値が得られます。
理想的には、これらの値を合計したものはゼロであるべきものです。
この尺度は、仕損じ品の手直しを減少させ、品質を向上させるための
動機づけにも有効といわれています。
IDD (Inventory Doller Days)
インベントリーダ・ラー・デイズは過剰在庫の尺度です。
例えば、満足できる納期遵守度を実現するのに1週間分の最終製品在庫
があればよいと考えられているときに、10日分の在庫があると、3日分
が余分です。1日の出荷量を10個とすると、3日分ですから、過剰は30個
です。3日分の過剰在庫が発生したとすると、過剰在庫を解消するのに
は当然3日かかります。
この場合、価格を100万円とすれば、インベントリー・ダラー・デイズ
は、100万円×{10単位×(1日+2日+3日)}=6000万円となります。
この業績尺度の値も、理想的にはゼロであるべきであると考えます。
(上記の定義は小林英三さんのノートによる)
これを部門別の業績評価にどのように使おうかと考えるととたんに悩
ましくなってきます。残念ながら内山さんの本にもTDDとIDDを
具体的にこう使うという記述はありません。
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では、ゴールドラット博士本人はこれについてどう記述しているでし
ょうか。まだ日本語版が出版されていないのですが「ヘイスタックシ
ンドローム:干し草の山シンドローム」という一風変わったタイトル
の本があります。この本こそゴールドラット氏がTOCの技術体系を
まとめた、「TOCのバイブル」なのです。私は判断に迷った時には
必ずヘイスタックシンドロームに聞く事にしています(笑)
その23章に業績評価の方法として、TDDとIDDの説明がありま
す。その中でポイントとして、博士が述べている事は、基本的にID
DとTDDは「計画に対しての逸脱度合い」を見る指標だという事で
す。
ということはTDDとIDDがゼロになるという事は・・・
そうです「計画の遵守度合いが100%になるという事なんです」
ここまでは理解して頂けましたか?
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となると、部門別のTDDとIDDを測るためには「部門別の計画」
が存在しなくてはならないという事が分かります。
ここで言う計画とは、TDDの場合納期から遡ってこの部門が何時ま
でにこの仕事をしなくてはならないかという、ブレイクダウンされた
計画という事であり、IDDの場合はさらに資材の納入計画が必要で
す。
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だんだんややこしくなってきましたね。
そうなんです部門別にTDDとIDDを測るためには、ローカルな計
画が必要とされるのです。
それとTDDとIDDはモノを扱う部門の評価尺度とした方が馴染み
が良いようです。
ここで丹治さんにご質問ですが、丹治さんの会社にはこのTDDとI
DDを測る基準となる計画が存在していますか?
もし無いとすれば以下の方法はいかがでしょうか。
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−設計−
設計は受注から、出図までの日数を管理する。
管理方法は平均日数とバラツキ(標準偏差)の両方を管理する。
もしも品質不良等設計に起因する要因で滞留や手戻りがあった場合、
設計日数に加算する。
Σ当月スループット÷Σ設計日数=設計部門の効率
上記の平均日数とバラツキを減らしてゆけば、設計部門の生産性は
向上してゆくはずです。
−製造−
最終納期に対するTDDは測定する
TDDを部門別の評価に分解する方法として、各工程の滞留日数(要
は工程別の製造リードタイムです)を管理する。
平均とバラツキを減少させる方向で管理すれば良い結果が得られるは
ずです。
IDDに関しても同様の事が言えると思います。
要はご自身も指摘されているとおり、Tは皆で作るもの、部門別に競
うのはTの大きさではなく、全体としてTを得るための早さをどのよ
うに上げたかを競えばいいと思っています。
あくまで代用指標のうちですが、こんな使い方もありますという事で
ご理解下さい。
必要なのは、やり方を覚える事よりも、何を目的として行われるかを
正しく理解されていればおかしな事にはならないと思います。
そういった意味で自身述べておられるような方向で管理されたら宜し
いのではないでしょうか。
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