DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

(6)保護能力とバッファー

日付:2004/09/13

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☆新連載 GSCチーフコンサルタント 飯塚 昇☆
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴール・システム・コンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
前回は「遅れの伝播」について書きました。
今回は『生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(その6)』として、
変動性と従属性により引き起こされる遅れの伝播からスループットを
守る手段としてTOCで用いられる「保護能力とバッファー」につい
て書いてみます。
 小説「ザ・ゴール」のボーイスカウトのハイキングでアレックス・
ロゴは、歩くのが一番遅いハービー君が全体のスループットを決めて
いることに気付きます。そしてその対策として、ハービー君を先頭に
して歩かせることにしました。
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本当だ。みんなハービーの後ろから離れないで続いている。私は列の
最後尾について、子供たちの間が開かないように監視することにした。
だが間が開くような様子はなかった。列の真ん中あたりで誰かが止ま
って、リュックの紐を調節している。しかしまた歩き始めると、みん
な少しスピードを上げ、すぐ前に追いついた。息切れしている者は一
人もいない。すごい!
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 しかし、現実の工場ではスループットを守るために工程順序を入れ
替えることはできません。
では、このボーイスカウトの列も順序を入れ替えることが出来ないと
したら、どうしたらよいのでしょうか?
例えば幼稚園児の散歩のように、全員が手を結んで歩いてみましょう。
こうするともし、誰かがつまずいて転んだら、転んだ人が立ち上がり
また歩き出すまで全員が待たなければならなくなります。そしてもし
転んだ子供が一番遅い人ではなくとも、スループットを決める一番歩
く速度の遅い子供までも立ち止まらせてしまうことになります。
ではどうしたらよいのでしょう。まず、歩く速度の一番遅い子供は全
体のスループットを決めてしまうのですから、他の子の影響により立
ち止まることが無いようにしなければなりません。そのために一番歩
く速度の遅い子供がその前の人が転んだりしても立ち止まることの無
いように、前の子供と間隔を空けることが必要です。この間がDBR
で言うところのバッファーになります。生産ラインでは、前工程で起
こるトラブルなどでネック工程が材切れにより停止することがないだ
けの仕掛り量(時間)をバッファーとして持ちます。
そしてここが一番重要ですが、一番歩くのが遅い人以外が止まった分
の遅れを取り戻す力(歩く速度が一番遅い人とそれ以外の人の歩く速
度の差)が保護能力となるわけです。よって、生産ラインでもネック
工程以外では保護能力が必要になるのです。もし、全ての工程が同じ
能力であったら、失われたスループットを取り戻すことはできないの
です。
おさらいしてみますと、スループットを決定するネック工程がドラム
をたたき、全体の作業ペース(1日分の処理量)を決め、ネック工程
がネック工程以外の生産の揺らぎにより生産が止まることが無いよう
に必要最小限の仕掛り量(バッファー)を持ち、このバッファーが必要
以上に増えたり減ったりしないように、ネック工程前のバッファー量
の変動に合わせ先頭工程の投入量をコントロールすること(ロープ)
が必要なのです。
そしてこの保護能力とバッファーには深い関係があります。
もしバッファーを大きく取れば、保護能力は少なくて済みますが、リ
ードタイムは長期化してしまいます。そしてバッファーを小さくすれ
ば、保護能力は多めに取らないとスループットが失われることになり
ます。この考え方がDBR構築の基礎知識となります。

次回は、このDBR構築の基礎知識をベースに、実際に生産ラインで
DBRを構築する手順として「継続的改善の5ステップ」を順を追っ
て説明してゆきたいと思います

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