
日付:2004/09/13
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☆新連載 GSCチーフコンサルタント 飯塚 昇☆
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴール・システム・コンサルティング(株)チーフ・コンサルタント
メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
前回は「従属性と変動性」について書きました。
今回は『生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(その5)』として、
変動性と従属性により引き起こされる「遅れの伝播」について考えて
みましょう。
ちょっと「ザ・ゴール」からの抜粋をお読み下さい。
アレックス・ロゴが息子のボーイスカウトのハイキングに出かけ、少
年たちの隊列が乱れ予定した速度が出ていないことを不思議に思った
くだりです。
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私たちのハイキングは、従属事象の連続で…それは統計的なゆらぎの
組み合わせによる。一人一人の速度は、速くなったり、遅くなったり、
常にゆらいでいる。だが、平均値より速く歩く能力は制限されている。
列の私より前の少年が時速2マイルでしか歩けなければ、私は時速5
マイルでは歩けない。そして、私のすぐ前を歩いている子供が時速5
マイルで歩くことができたとしても、それでも私もその子も、列につ
いている子供が全員、同時に時速5マイルで歩かない限り、その速さ
で歩くことはできない。
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このように工程の揺らぎ(少年の歩行ペースのばらつき)によって、
前工程の遅れが次工程の遅れへと伝わってゆきますが、前工程の生産
の進みは、ほとんど次工程へは伝わりません。このような状態は毎日
のように製造ラインで発生しています。
ここでもう少し科学的に考えるために、標準時間(ST)と呼ばれる
生産計画を立案するための基準時間を例に考えてみましょう。
生産工程における作業は同じ作業を何千回、何万回と繰り返すこと
に特徴があり、基本的には毎回同じ作業を繰り返しているのが普通で
す。そしてその細かい作業要素が少しずつ変化しているのです。この
ような場合、統計的にバラツキが正規分布となることが知られていま
す。以前このメルマガでダイスゲームを説明しましたが、その時使用
したサイコロの出目がこれに当たります。
こうして考えてみると、当然正規分布の中心点を標準時間として設定
すれば、作業が予定より早く完了する確率が50%であり、遅く完了
する確率が50%であることが分かります。しかし、通常の生産ライ
ンでは遅れだけが伝播し、早く終了してもほとんどが伝播しません。
この現象は工程が直線的な場合でも、複数の工程が合流する場合でも
起こります。どうしてそうなるのでしょうか?
まず複数の工程が合流する場合を考えてみましょう。
例えばA・B・Cの3つの工程が平行して部品製作の作業を行い、D
工程でその3つの部品を1つずつ使って組立てをし完成品を作る場合、
A工程は予定より2時間早く終わり、B工程は予定より1時間遅くな
り、C工程は予定通り作業が終了したとすると、A・B・C全部が終
わらなければ作業着手できないD工程は、A工程が予定より2時間早
く終わったことには関係なく、B工程の1時間の遅れだけが伝わるこ
とになります。
次に、いくつかの作業工程が直線的につながっている場合はどうでし
ょうか。
どの工程でも予定より作業時間が長く掛かったとすれば、当然遅れは
次の工程に伝播します。問題は予定より早く終了した場合です。早く
終了すれば次の工程へ早く渡すことが出来ます。しかし問題は次の工
程が前工程の早く終わった分だけ早く作業着手出来るか?ということ
です。従来、全ての工程は仕事が無ければ前工程の作業が終了するま
で待っている(遊ばせておく)ということはさせずに、設備や人が遊ば
ないように作業負荷一杯の計画・指示がされていることが多いようで
す。
そうすると各工程の確率分布は遅れ進みそれぞれ50%となり、A−
B−C−D全ての工程が早く終わる確率は50%×50%×50%×
50%=6.25%までも低下してしまいます。こう考えると並列処
理であれ直列処理であれ、遅れは伝播しますが、進みは伝播しないと
考えてもおかしくはないと思いませんか。
アレックスロゴはどう考えたのでしょうか、彼の分析を見てみましょう。
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要するに私は歩く速さを制限されているのだ――私個人の速さとハイ
キングに参加している他の人たちの速さの両方によって制限を受けて
いる。しかし、自分のペースを落とす自由はある。他の人も、皆ペー
スを落としたり、立ち止まったりする能力は制限されてはいない。そ
して、誰か一人がペースを落とすか、立ち止まれば、列は無限に伸び
ていくことになる。個々の異なるスピードのゆらぎは、平均されるの
ではなく、蓄積されていくのだ。それも、ほとんど全て、遅くなる方
の蓄積だ――なぜなら、スピードがあがるような状況は、限られてい
るから。これが列が伸びていく原因だ。
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ということで、このように工場が大きくなれば大きいほど(工程が長
いほど)、一部の工程が早く作業を終了しても伝播せず、遅れだけが
そのまま伝播するという厄介な特性を持っていることが分かります。
そしてこの影響により日常的に生産計画・指示の変更を余儀なくされ
ていることも事実です。
それでは、このような日常的に発生する混乱をどのように回避した
らよいのでしょう。TOCではこのような生産の揺らぎからスループ
ットを守る手段として「保護能力とバッファー」を使います。
次回は、この「保護能力とバッファー」の関係について書いてみます。
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2.制約条件を徹底的に活用する
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継続的改善の5ステップ
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(6)保護能力とバッファー
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(5)遅れの伝播
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(4)従属性と変動性
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(3)DBRのスケジューリング
[2004/09/13]
(2)DBRの基本
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(1)問題意識
[2004/09/13]
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