DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

(4)従属性と変動性

日付:2004/09/13

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☆新連載 GSCチーフコンサルタント 飯塚 昇☆
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴール・システム・コンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
前回は「DBRのスケジューリング」について書きました。
今回の『生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(その4)』では、工場
内の生産を脅かしている「従属性と変動性」について書いてみたいと思
います。

要するに工場や企業の中には予期せぬ出来事がいっぱいある訳です。工
場の中では、前工程の作業が終わらなければ、次の工程の作業が出来な
い(例えば、物を成型しなければ加工することが出来ない)などの順序
が決まっている「従属性」と、統計的な変動(サイクルタイムのバラツ
キなど)と、いつ起こるか分からない突然のトラブル(ランダムな故障
発生など)という「変動性」が存在します。

小説「ザ・ゴール」の中で、ボーイスカウトのハイキングの昼食時に、
アレックス・ロゴが子供たちと行っていた、サイコロを使ってマッチ棒
を次々にお椀に移動させていくゲームを思い出してください。このサイ
コロを使ったゲームでは、工程の能力変動がどのようにスループットに
影響するかをシミュレーションすることが出来ます。

このゲームのやり方については「ザ・ゴール」に書かれていますが簡単
におさらいしてみましょう。

まず、5つ並べられたお椀とそれぞれ一つずつのサイコロを用意し、先頭
の人から順にサイコロを振り、出た目の数だけマッチ棒を自分のお椀から
隣のお椀に移して行きます。この時、自分のお椀の中にサイコロの目の数
のマッチ棒が無い場合は、お椀の中にあるマッチ棒の数以上は移動させる
ことは出来ません。そして各工程のサイコロの目の数と移動できたマッチ
棒の数を記録して行きます。これを10回繰り返します。
 ここでいうサイコロの目は、生産工程の各リソース(処理能力)を示し、
並べられたお椀は各工程でありその順序は依存的事象(工程が定められた
順番を崩せない=生産工程)を示します。マッチ棒は生産工程を流れる製
品です。そしてこのシステムのスループットは、マッチ棒が最後のお椀か
ら出てくる速さとなり、在庫(仕掛)はお椀の中にあるマッチ棒の合計本数
となります。
 この時の各工程の1回当りの生産能力は、サイコロの目(1〜6)で均
等な確率で変化しますが、その能力は平均(3.5)となります。よって、
10回繰り返した結果としてスループットは3.5×10=35となるは
ずですね。本当でしょうか?
「論より証拠」実際にみんなを集めてやってみてください。
始める前に、みんなでスループットと仕掛量の予想をしてから始めると面
白いですよ。
 おそらく投入量とスループットでは相当な差が出たと思います。その差
として仕掛が工程のどこかに仕掛かっています。そしてサイコロの目と移
動できたマッチ棒の数は、後ろの工程になればなるほど差が大きく現れたと
思います。(これは「従属性と変動性」によって、引き起こされた「遅れの
伝播」という現象なのです。遅れの伝播については次回詳しく説明します。)
 次に、どのようにしたらこのスループットを最大化できるか?を考えてみ
てください。
例えば、1.生産能力を上げる。(サイコロを2つにする=設備投資)
2.仕掛を持つ。(各工程のお椀に決めた数のマッチ棒を事前に入れておく
=仕掛を持つ)
3.バラツキを抑える。(サイコロの目の数1〜3は3とする。4〜6は4
とする=平準化生産)などです。
 このときの投入数・スループット・仕掛量がどのように変化するのか?
また、実施した改善は実際の生産ラインではどのようなことに当るのか?
などを考えながら行ってみてください。また、10回を20回に増やし、
20回目からはマッチ棒の代わりにコインを製品として流すことで、新しい
製品がどれ位のスピードで流れるのかLT(リードタイム)を知ることがで
きます。
このゲームで更に面白いシミュレーションが思いついたら、みんなに教えて
ください。
次回は遅れの伝播について書いてみます。

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