DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

(3)DBRのスケジューリング

日付:2004/09/13

=============================================================
☆新連載 GSCチーフコンサルタント 飯塚 昇☆
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
=============================================================
飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴール・システム・コンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
前回は「DBRの基本」について書いてみました。
今回は『生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(その3)』として、
DBRのスケジューリングについて考えてみたいと思います。
 スケジューリングとは、何を目的に行われるのでしょうか?

単に製造現場をコントロールする計画を作ることがスケジューリング
の目的ではありません。TOCにおけるスケジューリングとは、スル
ープットを最大化し、在庫を最小化することにあります。会社全体の
スループットは一番弱い(能力の低い)工程の能力により決定される
ことは前回お話したと思います。よってスループット最大化とは「制
約条件を徹底的に活用すること」です。具体的にはネック工程が最大
限稼働できる詳細でかつ、実行可能なスケジュールを行うということ
になります。

また在庫を最小化するためには「制約条件以外の工程を制約条件に従
わさせる」ことにより実現されます。このような考え方に基づき、ス
ループットが最大でなおかつ在庫が最小になるように、先頭工程の投
入計画を立案することとネック工程以外の工程の作業ルール(作業順
序や作業量及び手待ち時間の利用法など)を決めることが必要です。

ザ・ゴールでも工場の中でのこんなやりとりが繰り広げられます。
「我々は、今このパーツが必要だ。明日じゃだめなんだ。 ノンボトル
ネックのパーツは、まだ何週間も余裕がある。 何ヶ月も待てるものだ
ってある。 ――たぶん、要らないものだってあるだろう。 つまり、
この工程がノンボトルネックのためのパーツを作り続けると、 オーダ
ーを出荷し、利益を出すのを邪魔しているということになる。」
「でも、どうしようもない」
「その通りだ。この工程ではボトルネック工程へ行く重要なパーツと
そうでないパーツを区別できないんだ」 
このような場合、非ネック工程はネック工程に従属することが求めら
れます。しかしどのパーツが重要でどのパーツが重要でないか分から
ないとしたら、まずするべきは何でしょうか?この場合には「先入れ
先出し」を第一の基本にして行うことが必要なのです。

また従来から利用されているスケジューリングソフトなどは、多くの
場合できる限り現在の計画担当者が考えるロジックに近づけようと多
くのマスター情報を入力しないと動かないものとなっています。しか
し、その反面、改善努力・設備投資・新しい製品による工程パターン
の変化などによって登録された基準情報が変化することは当たり前の
ように起きていながら追随できていないのです。
さらにDBRのスケジューリングではネック工程の能力を常に高める
活動を行っているため、半年・1年といったサイクルでは計画の基準
となるべきボトルネック工程が変化する可能性があります。そうなる
と計画を立案するためには、基準となる工程を変えなければなりませ
ん。
DBRに限らずスケジューリングでは、出来る限りシンプルで変化に
柔軟に対応できる仕組みにする必要があります。そのためには、キー
となる工程のみを詳細に計画立案することと、それ以外の工程は計画
を持たず仕事を行うためのルール化(先入先出など)により作業を行
うようにする必要があるのです。

バックナンバー

TOCはどうなるのかin2005
[2005/04/20]
なかなか導入ができない? DBRはどうなるのかin2005

TOCーDBRで顧客満足が高まり会社が儲かる
[2004/10/21]
TOCーDBRで顧客満足が高まり会社が儲かる

生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(21)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(20-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(20-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(19)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(18-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(18-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(17)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(16-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(16-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(14-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(14-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(13-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(13-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(12)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(11)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(10)

[2004/09/13]
(9)3.制約条件以外を制約条件に従属させる

[2004/09/13]
2.制約条件を徹底的に活用する

[2004/09/13]
継続的改善の5ステップ

[2004/09/13]
(6)保護能力とバッファー

[2004/09/13]
(5)遅れの伝播

[2004/09/13]
(4)従属性と変動性

[2004/09/13]
(3)DBRのスケジューリング

[2004/09/13]
(2)DBRの基本

[2004/09/13]
(1)問題意識

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践