DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

(2)DBRの基本

日付:2004/09/13

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☆新連載 GSCチーフコンサルタント 飯塚 昇☆
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴール・システム・コンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
第一回は「問題意識」について書かせてもらいました。
今回は『生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(その2)』として、
DBRの基本についておさらいしてゆきましょう。

90年代前半アメリカの製造業は、日本の製造業の集中砲火を浴び衰
退していましたが、BPR(リエンジニアリング)を研究し、リーン
生産といった形で日本的もの造り(いわゆるJust in Time)を模倣し
復活しました。このプロセスではMIT(マサチューセッツ工科大学)
などアメリカの頭脳が総力を挙げて取り組んだのです。
さらにその流れは、リーン生産の良い点をアメリカ流に咀嚼し、オリ
ジナルの理論を構築してゆこうといった流れが生まれてきました。

そういった流れのが起きる少し前、ゴールドラット博士は「工場の生
産性はボトルネック工程の能力以上は絶対に向上しない。」という至
極当たり前の原理を提唱します。その上で、工場の生産性を上げるた
めにはネックとなっている工程を何らかの形で改善(手法はIE、
QC、PM、JIT何でも良い)すると共に、他の生産工程や資材調
達をボトルネック工程の生産スピードに合わせるべきと主張したので
す。
これにより工場の生産性は飛躍的に高まり、在庫、仕掛りが劇的に減
少する事を実証しました。これを生産管理の基本原則として手順化し
たのが「DBR(ドラム・バッファー・ロープ)」です。

小説「ザ・ゴール」では、ボーイスカウトの行進になぞらえることに
よって分かりやすく紹介されています。工場の中で混乱している生産
は、ボーイスカウトの行進で言えば歩行スピードの異なる少年達に対
して、順番だけを決めた状態で勝手に歩かせている状況と一緒です。

ザ・ゴールでは主人公のアレックスロゴが息子のボーイスカウトのハ
イキングを計画する場面です。少年たち一人一人の歩行スピードを考え
れば絶対に達成可能な行進計画が何故か大きく遅れてしまいます。
一人一人は能力的に問題ないにも関わらず、グループになると遅れる。
これは何故かと考えた訳です。
そこでアレックスが着目したのが、最も歩くのが遅い「ハービー少年」
です。
ハービー少年は、前を歩く少年から大きく遅れ、彼の後ろにいる子供
達は、そのハービー少年の後ろに連なっています。
しかしよく観察するとハービー少年も前の少年の気まぐれで、つっかえ
たりしてしまうこともあるようです。

この現象をよく観察すると、一番後ろを歩いている自分が歩いた距離
がスループット(アウトプット)であり、一番ゆっくり歩くハービー少
年のペースによって列全体のスループットが決定されることに気付いた
のです。

では「隊列が必要以上に広がることを防ぎ、全員が時間通りに目的地
に辿り着くためにはどうしたらよいのでしょうか?」
まず、最も歩くスピードの遅いハービー君を先頭にして行進させるこ
とで、気まぐれな他の少年たちの妨害から守れる訳です。これによっ
て全体の隊列が広がることを防げます。
更に、ハービー君のリュックサックの荷物をみんなで分担して持つこ
とでハービー君の負担を軽くし、ハービー君の歩くスピードを早くす
ることが出来ます。
こうすることで無事時間通りに全員が目的地に到着することができた
のです。
 しかし工場での生産に置き換えて考えた時にはどうでしょうか。
工場の生産工程ではこのように工程順序を入れ替えることも、工程能力
を変えることも容易にはできません。もし最も歩くのが遅い少年が隊列
の途中にいて、その位置を変えることができないとしたならば、その少
年と先頭の少年の間をロープでつなげばよいわけです。そしてそのロー
プの長さは、その少年(ハービー君)の前を歩く少年が何かにつまずい
たときに、ハービー君が止まらないで済む分の余裕を持たせる必要があ
るのです。なぜならハービー君が立ち止まった時間は永久に取り戻せな
いのです。

しかしそれ以外の少年が少しくらい立ち止まったとしてもハービー君の
歩行速度に比べ早いため、その遅れはやがて取り戻すことができるので
す。さらにペースメーカーとなる太鼓(ドラム)をハービー君に持たせ、
ハービー君の歩くスピードに合わせて太鼓をたたくことにより、列全体
をハービー君の歩くスピードに合わせることで隊列が広がることを防ぐ
ことができるのです。
この考え方を生産ラインに当てはめると、先頭工程(初工程)への資材
投入(作業量)をボトルネック工程の生産速度に合わせることと、ボト
ルネック工程の前だけにはボトルネック工程が材料切れにより作業が停
止しない分だけのバッファー(仕掛り)を置くことに相当します。

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