DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(19)

日付:2004/09/13

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連載
☆生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(19)
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴールシステムコンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
今回はDBRでの詳細スケジューリング手順(その8)工場のフロ
ーパターン(V−A−T型)別の問題点とTOCの適用、A型工場
について書いてみます。

<A型工場>
A型工場は前回紹介したV型工場とは正反対で、多くの部品から出
来ている、相対的に少数の製品を生産している工場です。
A型工場では、多くの部品が組み立てられて親製品が作られますが
、最終工程は組立工程になっているのが普通です。この組立工程は
いくつかの異なるサブ工程から合流し最終製品が組み立てられます

A工程では、購入部品の種類が膨大で、最終製品の種類をはるかに
越えています。
このタイプの工場の全体的な製品フローは分岐ではなく、収束する
ものなのでA型工場と名づけられています。
<A型工場の特徴>
電話交換機の生産はA型製品の良い例です。組立には多数のプリン
ト基板や配
線類が必要です。組立作業にはまず多くの基盤が収納される架台が
必要とされ、
多数の部品が組み合わされてプリント基板が生産され、ケーブル類
やコネクター
が準備されます。最終工程の部品は、それぞれいくつかの部品から
構成されて
いる半製品組立です。製品フロー図には沢山の購入部品、生産部品
が含まれて
おり、これらはみな、単一製品に収束してゆきます。A型工場は、
このように
部品が収束する組立工程に特徴があり多くの部品を、相対的に少数
の最終品目
に組立てます。また部品は、最終製品ごとに個別性があるのが普通
です。従っ
て、組立工程で使われる機械や用具類は、柔軟性を持ち汎用性の高
いのが普通
です。A工場では、最終組立工程で多くの問題が顕在化します。し
かし、最終
工程でのトラブルはその前の工程で既に引き起こされています。
つまりA型工場では、工程フローの同期が取れていない事によって
生じる問題
が多いのです。最終の組立工程以前の工程は段取り回数を減らし、
原価を引き
下げるため過度に大きなロットで処理しようとすると、各工程の負
荷が偏りフ
ローに波が起こり、それによって下流工程では非常に不安定な負荷
で生産する
事を余儀なくされます。このため制約条件工程が、工場内を歩き回
るように見
えるという特徴を持っています。
<A型工場の問題点>
A型工場では前述した特長(負荷の偏り)により、二つの問題を生
みます。
第一の問題は、稼働率の低下を引き起こすという事です。不安定な
工程流動に
より、各工程はしばしば欠品による手待ちが生じます。この手待ち
は、稼働率
の低下を引き起こし、さらには手待ちによる遅れが生じた結果、残
業や休日出
勤を頻繁に行って、納期を遵守する羽目に陥ります。このようにし
て時間外に
処理された部品は、朝一番や休日明けに大量に次工程に供給される
ため、さら
に負荷に偏りが生じる事になります。
第二の問題は、部品納期に関する問題を抱えています。組立工程で
は、通常組
立作業を開始する前に、全ての部品が揃っていなければなりません
が、ある一
種類の部品が大量に到着しても、どれか一つでも欠品していれば基
本的に組立
を開始することは出来ません。組立工程は、組立に必要な部品の欠
品に悩まさ
れます。まず内製部品は日常的に部品の追跡と督促が行われ、組立
工程に早く
到着するよう督促されます。大きな変動を持つ材料フローにより、
常時、在庫
の山とネック工程がセットで工場内を移動します。このため見かけ
上、ボトル
ネックが工場内を「歩き回る」ように見えます。また、外注業者か
ら納入され
る部品も同様に、納期に問題を抱える部品が多いため見込み先行発
注により、
必要部品の欠品と不要部品の過剰在庫に悩まされる結果になります

<A型工場へのDBRの適用>
A型工場へのTOC適用は、まず工場内のフローを同期させる方法
を考えます。
基本的にはオーダーの概念をきちんとします。注文のない生産は行
うべきでは
ありません。もっとキレイな流れを作るためには、部品を生産する
工程ではロ
ットフォアロットで生産し、ロットまとめを極力行わないことが重
要なのです。
A型工場では、場合によっては複数のCCRが存在する場合があり
ます。制約
条件工程を識別した後バッファを決めます。A型工場の場合、バッ
ファの活用
方法はV型工場の場合とは異なります。A型工場のフローの特徴と
して、工程
の中間で在庫を持つ利点はありません。しかし在庫は、最終組立に
必要な共通
部品のコントロールを簡素化するために使えます。要するにネック
工程から流
れてくる制約部品を待たせることがないように、共通部品を組立バ
ッファー的
に在庫する必要があるのです。
また「納入リードタイムが長い」「納入が安定しない」というよう
に、部品制約
を抱えている場合資材バッファーを設置する必要があります。この
バッファー
の考え方は、基本的にCCRバッファーと同じ考え方をとります。
要するに、
工場の得られるべきスループットが納入部品によって阻害されない
ように、バ
ッファーを管理する必要があるということです。当然、そのような
制約を持つ
部品は、専任担当者によって綿密な管理を行ったり、場合によって
は外注指導
も含め検討することは言うまでもありません。
A型工場でのバッファーは基本的に、CCRの前、組立の前、出荷
の前に設置
します。また資材に制約がある場合は、資材バッファーを設置しま
す。A型工
場では、基準生産計画(MPS)が非常に重要になります。基準生
産計画が決
定されたらA型工場の全ての資源は、基準生産計画によって確定さ
れている計
画製品フローを完全にサポートするように管理されなければなりま
せん。工場
全体の製品フローは、比較的に少数のスケジュール・コントロール
ポイントを
コントロールすることで、上手く管理できます。

次回は工場のフローパターンT型工場について書いてみます。

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