DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(18-2)

日付:2004/09/13

=============================================================
連載
☆生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(18-2)
=============================================================
飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴールシステムコンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
今回はDBRでの詳細スケジューリング手順(その7)工場のフローパターン
(V−A−T型)別の工場の問題点とTOCの適用ということで、V型工場に
ついて書いてみます。

VAT型に分類される工場の持つ特性と、管理方法の特徴ですが、工場はどの
ような製品を生産するかによって、類似した工程のフローパターンを持ちます。
これにより、V型工場、A型工場、T型工場という三つの種類に分類すること
ができます。(三つの種類を併せ持つ場合もあります)
現実の適用に当たっては、VAT理論の他にも量産・非量産といった分類や、
資材に多くの制約を抱えるか否かといったような様々な要因を総合的に判断し
て考える必要がありますが、工場のパターンを考え認識する事は、注目すべき
改善ポイントを把握し最短距離で目的地に到達する方法を知る早道です。

<V型工場>
V型工場は、原料を多様な最終製品に加工するプロセスを持つ工場です。
V型工場では、ある処理工程で単一の原材料がいくつかのバリエーションに分
岐します。製品フローの中でのこのようなポイントは、原材料が分岐して行く
ので分岐点と呼ばれます。加工プロセスの全体を通じ、製品フロー図がV字に
似ているので、V型工場と呼ばれます。
V型工場の典型的な例は鉄鋼工場です。鉄鋼工場ではまず、溶解炉に鉄鉱石が
投入され銑鉄になり、仕様にしたがって圧延され厚さが決まります。その後、
順次プロセスを経るにしたがって原材料の鉄鉱石はバリエーションを増し、分
岐点のそれぞれで製品の数は増加して行きます。
1.V型工場の一般的な特徴
V型工場の特徴は、原材料の数に比べ最終製品の種類が多いという事です。
工程を一つ進むにしたがって製品はバリエーションを増やしてゆきます。また
製品のバリエーションと比較し工程のバリエーションが少ないのが特徴です。
製品は基本的に同じ加工順序で生産され、工程数が増えるのは製品個別に特殊
な処理が要求されるような場合がほとんどです。V型工場は資本集約的な産業
が多いのが特徴です。
2.V型工場の問題点
一般的に設備集約的な特徴を持つV型工場では、段取り時間が長いため、監督
者は生産性を向上させるためにロットサイズを大きくしたり、ロットを組合わ
せたりし、段取り回数を最小にしようとします。結果として優先順位を無視し、
生産リードタイムを長期化させ、納期遅れを頻発させることになります。
よくあるケースとしては方針上の制約が絡むものとして、先ほどの鉄鋼工場な
どでは、業績評価基準が時間当たりのトン数で評価される場合があります。こ
のような工場では、予定通りに生産を行っていくと予定したトン数を達成でき
なさそうになると、重量の多い製品を先に生産しようとしたり、段取り回数を
減らすために来月分のロットを先食いし、大ロットにして生産しようとします。
これにより仕掛かりや在庫が沢山あるにもかかわらず、顧客の要求するものを
納期通りに収められない(欠品)に悩まされます。
3.V型工場へのDBRの適用
V型工場の場合、その特性から製品の種類が増える分岐点に複数のネック工程
が存在します。しかし、全工程を通じ、真にスループットを決めている主制約
条件工程(工場の中で一番能力の弱い工程)は一つです。前述したようにV型
工場は設備集約的な業態が多いため、機械設備の稼働率を高めるためにTPM
活動や、5S活動といった個別の工程の生産性を向上させる活動を行っている
ことが多く、個々の生産性向上施策が方針制約として存在しないか注意深く調
査する必要があります。そして、まず間違った評価指標があれば解除します。
その次に、受注のない売れない製品は生産しないということです。つまり、工
場で生産されても売上げにならず、倉庫に積み上げられるような生産計画は立
案しないことです。当然、何らかの見込み生産が必要な場合には、過度のロッ
トまとめやタイムバケットを大きく取ることは避け、小ロット、短サイクルで
の生産を行うことが基本です。

次回は工場のフローパターンA型工場について書いてみます。

バックナンバー

TOCはどうなるのかin2005
[2005/04/20]
なかなか導入ができない? DBRはどうなるのかin2005

TOCーDBRで顧客満足が高まり会社が儲かる
[2004/10/21]
TOCーDBRで顧客満足が高まり会社が儲かる

生産部門復活の鍵を握るDBRの実践
[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(21)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(20-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(20-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(19)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(18-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(18-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(17)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(16-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(16-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(14-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(14-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(13-2)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(13-1)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(12)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(11)

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(10)

[2004/09/13]
(9)3.制約条件以外を制約条件に従属させる

[2004/09/13]
2.制約条件を徹底的に活用する

[2004/09/13]
継続的改善の5ステップ

[2004/09/13]
(6)保護能力とバッファー

[2004/09/13]
(5)遅れの伝播

[2004/09/13]
(4)従属性と変動性

[2004/09/13]
(3)DBRのスケジューリング

[2004/09/13]
(2)DBRの基本

[2004/09/13]
(1)問題意識

[2004/09/13]
生産部門復活の鍵を握るDBRの実践