DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(17)

日付:2004/09/13

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連載
☆生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(17)
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴールシステムコンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
今回はDBRでの詳細スケジューリング手順(その5)DBRスケジューリング
の基本「Net」について書いてみます。

NETとは、原材料から製品までの生産活動をネットワークプロダクト・フロー
として書き表したもので、必要なマテリアルの算定、どのリソースで何の製品を
製造するか決定し、生産資源をどのようにして最大限活用し、スループット最大
化の実現のために利用するものです。

従来のMRPの部品表は計算を簡略化するために、各オペレーション間のリード
タイムは固定リードタイムを使用するのが一般的ですが、これに対してNETで
記述されるのは各工程の作業時間(所要時間)だけです。

<制約条件工程を見つける>
工程の詳細スケジュールを立案する過程では、複数の制約条件工程が出現する可
能性があります。ただしスケジューリングの起点となる「主制約条件工程」は一
つです。残りの制約条件工程は副制約条件工程として、主制約条件工程に従属す
るスケジュールが立案されます。負荷状況から見て80%を超える工程(制約条
件工程)は、何らかの保護を必要とする場合が多く、そのような工程を副制約条
件工程としバッファを設置するのです。この段階での負荷計算は、あるタイムバ
ケットで計算すれば良く、自社の生産計画サイクルに合わせることで良いのです。

<タイムバケット中での総負荷山積み>
まず第一に顧客納期からNETを遡って、最遅着手時間ベースの負荷山積みを行
います。最遅着手時間で山積みするのは、生産リードタイムを最短にする為です。
それぞれのオーダーに対し計算を行い、最遅ベースで開始時間と終了時間を計算
します。この結果を時間軸上に沿って並べ、制約条件工程の能力に合わせ線を引
きます。ここでオーダーが負荷線上よりはるかに上にある場合は、このままでは
納期通りに生産することが不可能であることを意味します。

そのため次に、ネットワークの考え方を応用し多少リードタイムは伸びますが、
早めに作業を完了させることが可能かどうか検討します。
ようするに、負荷線上にはみ出したオーダーを時間軸上で前倒しすることで、負
荷と能力のバランスを取り、今度は最早着手時間を割り込んでいないか確認しま
す。最早着手時間を割り込んでいる(最早時間より早い時間に開始する)という
ことは、NETを遡った先頭工程の投入時刻が「現在」を割り込んでしまってい
るということになりますから、実現不可能ということになります。

今度は実行可能な領域に全てのオーダーを「タイムゼロ」まで押し戻します。
この作業によりほとんどのオーダーは実行可能になります。しかし、今度は納期
遅れとなるオーダーが発生することが懸念されます。このような場合は時間短縮
などの対策を考えます。例えば、
1.同じ製品のオーダーを組合せて段取り時間を節減する。
2.製品の順序を入れ替えることによる段取り時間の軽減を図る。
3.ネック工程の作業の一部(運搬や準備など)を他工程に振り分ける。(応援など)
4.残業・休出などによる操業時間の増大を図る。
このようにして、全オーダーの作業スケジュールが出来上がります。

TOCのマスター・スケジュールは受注に関するデータだけでなく、制約条件工程
の詳細スケジュールも含んでいます。但しこの段階ではまだ最終の確定スケジュー
ルではありません。制約になる工程が他にないかどうかを慎重に確認しなくてはい
けないのです。すでに全期間での負荷の確認はしましたので、全体の負荷としては
問題が無いはずですが、そのたの資源がスケジュール上衝突していないか確認する
必要があります。制約条件資源がフル稼働できるように、他の全ての資源の稼働計
画を組む必要があります。
こうして決定された制約条件工程のスケジュールをドラム認定と呼びます。

長い間TOCのスケジューリング手順について書いてきましたが、次回からはスケ
ジュールを行ううえでの問題を解決する方法(TOCスケジュールの特徴)を書い
ていきたいと思います。

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