DBR(生産部門復活の鍵を握るDBRの実践)

生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(14-2)

日付:2004/09/13

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連載
☆生産部門復活の鍵を握るDBRの実践(14-2)
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飯塚 昇(いいづか のぼる)
ゴールシステムコンサルティング(株)チーフ・コンサルタント

メルマガをご覧の皆さんこんにちは。
ゴール・システム・コンサルティング(株)の飯塚です。
前回は所要量の算出について書きました。
今回はDBRでの詳細スケジューリング手順(その2)出荷バッファの確保に
ついて書いてみます。

これまで出荷バッファーは最終顧客納期を守るための余裕として説明してしま
したが、実際には更にもう一歩進んだ役割があります。
従来の生産計画パッケージは、コンピュータが立案したスケジュールをそのま
ま生産に使うと、実際には作業がその計画通りに進ず遅れが頻発する場合があ
ります。そこで計画の実効性を高めるため、出来上がったスケジュール全体に
対して安全率を割り振る場合が多いのです。

しかし、DBRでは安全余裕を全く別の見地から設定します。すなわち、工場
内の製造フローは工程手順(製造ラインを流れる順序)でつながっています。
そしてそこには従属性と変動性の影響で遅れだけが確実に伝播するメカニズム
が存在します。したがって各工程に安全余裕時間を与えてスケジュールを守ろ
うとしても、その安全余裕はその工程のみで消化され次工程には伝わりません。
さらに工場内にマーフィーが出没すると、マーフィーの分だけは確実に遅れが
伝播します。
そこで考えなくてはならないのは、各工程に安全余裕を与えるのではなく各工
程の安全余裕を一箇所に集めることなのです。

例えば5つの工程があってそれぞれの工程のサイクルタイムが8時間とします。
そして工程内に仕掛がまったく無く搬送時間を無視すると、生産リードタイム
はサイクルタイムの総計である40時間になります。
次にどの工程でマーフィーが出没しても4時間だけは大丈夫なように、各工程
に4時間ずつの仕掛を置くとすると、リードタイムは40時間+20時間とな
り合計60時間になります。しかし、従属性と変動性の特性から早く終わって
も伝播されず、遅れだけが伝播するため各工程に置かれた4時間ずつの仕掛
(安全余裕)は、その工程で必ず食い尽くされてしまいます。
逆に、各工程に置いた仕掛(安全余裕)を出荷工程前に集めることで、どの工
程でマーフィーが出没しても出荷工程前の出荷バッファーでカバーすることが
可能となります。また、最大20時間のマーフィーに耐えうることが可能とな
ります。(この考え方はCCPMの考え方のベースと同じです。)

出荷バッファーは、まさに全体のスケジュールの遅れから顧客納期を守るため
に設定されるわけです。
また、出荷バッファーを設定してこれを上手に使えば、各工程のスケジューリ
ング時間が広がり、ネック工程のスケジューリングがフレキシブルに行えると
いうメリットもあります。

次回は所要量と出荷バッファーを基に、どのような考え方で順序計画を作るか
書きたいと思います。

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