クリティカルチェーン(CCプロジェクト管理講座)

21,クリティカルチェーン・スケジューリング

日付:2005/08/08

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CCプロジェクト管理講座(20)
クリティカルチェーン・スケジューリング
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こんにちは西原です。CCプロジェクト管理講座第20回を始め
ましょう。疑問点や質問ご意見あれば弊社メーリングリストや私
宛に質問下さい。

1.プロジェクトを定義する(ODSC)
2.ゴールからネットワークを構築する
3.リソースを定義する
4.50%確率によるタスク日程見積をおこなう

前回までの連載でここまで進んできました。ここまでを実施した
次はスケジューリングに入ってきます。
従来からのプロジェクトスケジューリング方法であるPERT/CPMと
異なる特徴的な所は3点あげられるでしょう。

1、リソース山崩しを実施したスケジューリングを行う
2,なるべく遅く計画する(LPST)
3,バッファとよばれる予備時間がタスクとして挿入されている

まず1についてですが、PERT/CPMではリソースの依存関係を考慮
せずスケジューリングをおこない、その最長経路をクリティカル
パスとよぶと定義されています。
こういったスケジューリングをおこなうとタスクAとタスクBが同
日に実施するようスケジューリングされているが、両タスクとも
に担当は私で実行不可能だといった事が起こります。
こうなると両方のタスクを切替ながら仕事をするマルチタスクを
実施するか、どちらかのタスクの開始日をずらさなければなりま
せん。
一方、CCPMではマルチタスクしてはなりませんから、計画の段階
でリソースの依存関係を考慮し山崩しを実施しスケジューリング
をおこない、そのプロジェクトの最長経路をクリティカルチェー
ンとよぶと定義されています。
クリティカルパスと異なった名称にしているのはリソースの依存
関係を考慮しているかいないかを明示するために呼び方を変えて
わけです。

通常スケジューリングはPMソフトを使って実施していきますが、
基本的には、
(1)リソースが競合するタスクを見つける。
(2)非クリティカルパス上のタスクを前倒しにして競合を解
   消する。
これを繰り返して山崩しをおこないます。

2点目の違いは、なるべく遅く計画する点です。PMBOKで定義さ
れるプロジェクト計画方法では、EPST(Earliest Possible Star
t Time)とLPST(Latest Possible Start Time)計画の二通りの
やり方があります。EPSTとは出来るだけ早くスケジューリングす
るやり方、LPSTは出来るだけ遅くスケジューリングする方法。

例えば今日は4月1日、納期は4月30日、タスクは一つしかな
く10日かかると見積もられている。この場合、EPSTで計画すれ
ば本日からタスクを開始できるので、タスク開始日4月1日 納
期4月10日。LSPTで計画すればタスクの開始日は4月20日、
納期は4月30日となります。

クリティカルチェーンではLPSTで計画する事になっています。な
るべく遅くスケジューリングする、略してナルオソ計画と呼んだ
りします。ナルオソ計画。研修などでそういうと笑いがおこるの
ですが、プロジェクトに関わる人の立場になって考えてみて下さ
い。タスクの見積日数は50%確率の日数です、その上できるだけ
遅くスケジューリングする。これでは納期が遅れる可能性がある
非常に危険な状態だと感じるでしょう。

先週パーキンソンの法則を排除してタスクを50%見積もりすれ
ば、学生症候群・早期完了の未報告・マルチタスクといったプロ
ジェクトを遅らせる人間の側面を排除できると書きましたが、更
にLPSTでなるべく遅くスケジューリングされていればなおさらこ
ういった行動を排除しなければならないと考えるようになるでし
ょう。このようにクリティカルチェーン・プロジェクトマネジメ
ントでは、プロジェクトを遅らせる原因となる人間面の問題をス
ケジューリングの方法に排除するよう仕組みを構築します。
更に重要なことは企業の目的にこの計画法は合致しているという
事です。
企業の目的は何か、ザ・ゴールでは「現在から将来にわたってお
金を儲け続けること」と定義しています。企業がお金を儲け続け
れているかどうかは、「利益」「ROI」「キャシュフロー」の3
つの指標が改善されているかどうかをみなければならないとザ・
ゴールで定義されていますが、ROI、キャシュフロー改善を考え
るならば支払と回収の期間を短縮しなければなりません。

プロジェクトは基本的に納入日が決まっており、納入した後に支
払が行われます。納入日・支払日を変更することは基本的には出
来ません。この環境の中でROI・キャシュフローを改善するため
には、出来るだけ支払開始日を遅らす、つまりプロジェクトのス
タートを遅らせて支払日までの期間を短くしなければなりません。

ここまでのスケジューリング方法によって、プロジェクトを遅ら
す原因となる「学生症候群」「早期完了の未報告」「マルチタス
ク」そして財務面であるROI・キャシュフローの改善を行う事が
できます。

しかしこのままの計画でプロジェクトを開始してしまえば納期遅
れになってしまう可能性が大です、そこで3つ目の特徴であるバ
ッファの挿入を行い納期遅れから守るスケジューリングをおこな
います。来週はバッファの挿入方法について記載します。

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