クリティカルチェーン(CCプロジェクト管理講座)

遅れること前提の時間見積もり(2)

日付:2005/08/08

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CCプロジェクト管理講座(19)
遅れること前提の時間見積もり(2)
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こんにちは西原です。CCプロジェクト管理講座第19回を始め
ましょう。疑問点や質問ご意見あれば弊社メーリングリストや私
宛に質問下さい。

先週は、各タスクの時間見積もりの際、50%の確率で完成でき
る日程見積もりを行うという事を記載しました。

これまでの連載でふれていきたように、従来のプロジェクト計画
法では、各タスクに安全余裕を加えて守られる計画を作っても、
「学生症候群」「早期完了の未報告」「マルチタスク」といった
状況があると、安全余裕はないものと同じ状況になってしまう。
その結果は、納期遅れ、コストアップ、スコープのカット。終わ
った計画の進み具合をフィードバックしてみればプロジェクトは
工程待ち時間で一杯、こういった状況があるといった事を連載し
てきました。
これを改善するため、まずは待ち時間を作ってしまう原因になる
各タスクへの安全余裕時間を排除する、その具体的な方法が各タ
スクを50%の完成確率で時間見積もりするという事になります
。考えてみて見下さい50%確率で見積もられている計画で「学
生症候群」「早期完了の未報告」をする時間があるでしょうか。
作業者は常にマルチタスクを依頼される危険性にさらされていま
す。しかしこの状況でマルチタスク依頼を受け入れるでしょうか。

さて、通常のプロジェクトマネジメント(PMBOK)での日程
見積もり方法は、3つあると言われています。
1. 専門家の判断。タスクについて専門知識のある人からヒア
リングを実施して所要期間見積もりをおこなう。
2. 類推見積もり法。過去実施したプロジェクトで類似のタス
クから期間を類推する
3. 定量ベース法。作業単位に生産性を乗じて期間を見積もる。

3ついずれの方法を使っても最初に出した見積日数には多くの安
全余裕が含まれているという事には注意しなければなりません。
一度日数見積もりをおこない、それが本当に50%なのか再ヒア
リングなどにより検討していきます。我々はワークショップ形式
でこの日程見積もりを実施していきますが、当該業務をよく知っ
ているベテランの方ほど過去の事例を思い出し、所要時間はもっ
と長くすべきだと発言します。
まるで検討時間の長さに比例して、見積日数が長くなっていく、
そんな展開がよく見られます。どんな人手も「見積もった期間を
守らなければならない」といういままでの方針に縛られていまの
で考えれば考えるほど遅延リスクを避けたくなり日数見積もりを
加算してしまうのです。

定量ベース法は特にその危険があります。設備の能力は1日あた
り100m3可能。当該タスクは1000m3。ならば必要日数は10日である
。こういったやり方が定量ベース法ですが、こういわれると誰も
が10日で間違いないと感じてしまいます。検討すると過去のケー
スで岩盤が固かったので・・・、雨が降ってきたので・・・。と
日数を増やす方にしか議論は進みません。しかし設備の能力値は
常に正しいと言えるでしょうか。実際にその設備を動かしたこと
のある方なら経験的に一定の能力が常に出るとは思わないでしょ
う。能力にはバラツキがあると認めざるを得ません。一定の能力
が常に出る設備など存在しない。そのことはプロジェクトに携わ
っている当事者が一番よく知っています。

50%見積もりを実施するときプロジェクトマネージャーはまず
「各タスクの所要見積もりで評価する」という方法は取らないと
いう事を十分説明する必要があります。
そして最初に見積もって貰う数値は、楽観的な最速値をまず見積
もって貰うようにしましょう。私の経験では日数を削っていくよ
り、追加していく方が心理的にやりやすいと感じます。
また、最終工程にバッファがリードタイムの半分程度つくという
事を伝えましょう。50%確率で見積もった期間を合計したプロ
ジェクト全体の期間が1年なら半年もバッファを付け加えると言
うことを十分説明していけばあえて当該タスクに付け加える必要
がないと感じるでしょう。

50%の確率で見積もるという事はクリティカルチェーン実施の
最大のポイントになりプロジェクトマネージャーの腕の見せ所に
なります。ヒアリングを実施する方の心理面を十分考慮しながら
50%の期間を設定して下さい。
相手は50%の確率の日数を知っています。ただ言いたくないだ
けなのです。

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