
日付:2005/06/05
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CCプロジェクト管理講座(11)
11.完璧な計画の作成方法
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こんにちは西原です。CCプロジェクト管理講座第11回を始め
ましょう。疑問点や質問ご意見あれば弊社メーリングリストや私
宛に質問下さい。
先週は、計画をするといってもタイムマシーンがあるわけでもな
いので未来の事はわからない。具体的にいうと、作業時間は統計
的変動がありそれをなくせない、更に不確実性が多くある。正確
な計画を作るなど初めから不可能だという話しでした。この現実
から全てのプロジェクトマネージャーは逃れられません。一寸先
は闇です。
先日JRの脱線事故がありました。JRでは1分以内の誤差で駅
に到着しないといけないという徹底したJust in timeをおこなっ
ています。もちろん列車も統計的変動の影響を受けますし、JR
はタイムマシーンを保有しているわけではありません。なのにな
ぜこのような正確な計画が可能なのでしょうか。「定刻発車―日
本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? 」三戸 祐子 (著)には以
下のように書かれています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101183414/goalsystem-22
>>日本の鉄道ではこの車両とこの線路の下では、この駅とこの
駅の間は、最小で何分何秒で走行できるという数値、すなわち「
基準運転時分」を非常に正確にはじきだしている。日本の運転士
の運転技術をもってすれば、この数値をほぼ間違いなく実行でき
るのであるから、これに各駅毎の停車時間を加えていけば、ある
駅からある駅までの到達時分(最小到達時分)がだせる。この時
間をそのまま使ってダイヤを編成したらどうだろう。
それは最短の到達時分であるから、速達性の麺では高い評価を得
られるだろう。しかしもし何かが起きたら(事前に取り除けなか
った攪乱がおきたら)鉄道システムは例のドミノ倒しのような不
安定性に陥ってしまう。ダイヤ全体の攪乱要因への抵抗力はゼロ
である。
そこで現実のダイヤでは、駅から駅への到達時分に適当な「余裕
時分」というものをつけている。(中略)日本の鉄道では到達時
間全体の1〜3%程度の余裕時分がつけられている。<<
運転手は徹底的に教育され統計的変動を抑える訓練をおこなって
いますが、ゼロにはなり得ません。そこで、「基準運転時分+1
〜3%の余裕時分」でダイヤを決定し、統計的変動に対しこの余
裕時分を使ってスピード調整をおこない定刻運行できるようにし
ているわけです。この余裕こそがタイムマシーンがないなかで正
確なダイヤ編成をおこなうキーポイントになっているのです。
列車はレールの上を走りますのでかなり安定して進めるでしょう。
我々のかかわる現実のプロジェクトにはレールは存在しません。
大きな不確実性にさらされています。よって1〜3%程度の余裕
では正確な計画を立てることは不可能でしょう。
>「確率分布の中央値と実際の見積もりとの間のこの部分がセー
フティ、つまり安全余裕時間だ。これを加味する。」
「確率が50%の時は、80%の時に比べてずっと時間が短い。
忘れてはいけないのは、不確実性が大きければ大きいほど、この
差が大きくなるということだ」
「ということは、セーフティ部分が200%か、それ以上あって
も別に異常ではない。普通だという事ですね<<
「クリティカルチェーン」ゴールドラット著によると、各作業を
80%正確な時間見積もりにしようとすると、このように大きな
安全余裕時間を計画に組み込んでおかなければならないと書いて
います。
この考えをもとに、例えば今週号のメールマガジン発行を正確に
計画すればどのような手順になるでしょう。
・作業と平均的な所要時間をあげると
「CCプロジェクト講座原稿作成」 (1時間)
「他の原稿と併せて構成」 (1時間)
「メルマガ発行手続き」 (10分)
「CCプロジェクト講座原稿作成」→「他の原稿と併せて構成」
→「メルマガ発行手続き」
合計2時間10分ですが、このように計画を立てると統計的変動
・不確実性に対処できず計画はずれてしまいます。80%正確な
計画にするためには、所要時間の2倍以上安全余裕時間を入れな
ければならないのですから、もっと完璧を目指すならば各作業に
もっと安全余裕時間を追加しておきましょう。
「CCプロジェクト講座原稿作成」 (1時間+10日)
「他の原稿と併せて構成」 (1時間+10日)
「メルマガ発行手続き」 (10分+10日)
合計約31日。こんな計画を立てておき、各作業の期限到来たご
とにJust in timeで次工程に渡しておけば、全くずれのない完璧
な計画を作成することが可能でしょう。
これで完璧な計画を作る方法が理解できたでしょうか。
「タイムマシーンのないなかで、統計的変動・不確実性の影響を
受けるプロジェクト計画を正確に作るためには大きな安全余裕時
間を各作業に追加しておく。」という事になります。
実はこれ目新しい方法ではありません。計画を立てる人は経験的
にわかっている方法ではないでしょうか。
実際に過去自分の作った計画と実績を比較してみて下さい。多く
のプロジェクトは計画通り進んでいませんが、プロジェクトの開
始当初は計画通り進んでいる事が多くあるでしょう。
プロジェクトの開始当初にタイムマシーンがあるわけでもないし
、統計的変動がなかったわけでも、不確実性がなかったわけでも
ないのに計画進められていた。これは偶然ではありません。上記
のような方法を自分の経験則から導き出して計画を立てた結果な
のです。
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