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ゴール・システム・コンサルティング株式会社
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DBR

Drum Buffer Rope / ドラム・バッファー・ロープ

かつて製造業はモノ造りの機能を徹底的に効率化し、「よい品質のものをいかに早く、安いコストで提供できるか」を競ってきました。工場では各工程が最大の能力を発揮するように改善活動を進め、能力増強分は右肩上がりの売上高(出荷高)に吸収され、そのまま企業収益に直結してきました。
現在の「顧客が見えない」「市場が見えない」という時代の中で、工程(工場)が予算や評価を守るため、受注に直結しない製品を作るということは、在庫(棚卸)を増大させ、資金の回転を悪化させ、多大な管理工数を投入させる結果につながります。また、従来の生産性向上活動は、各工程の能力を高度にバランスさせながら、生産工程の能率や設備の稼働率を高めることを追及してきました。
しかし、各工程をバランスさせることは顧客の要求変動や生産設備のトラブル・品質トラブル・作業者別の能力差などの不確実性により非常に難しく、人と設備の生産性は高いが、モノの流れやスピードが犠牲にされることが多いのです。

生産現場における対立の雲

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TOC(制約条件の理論)では、「工場の生産性はボトルネック工程の能力以上には絶対に向上しない」という至極当たり前の原理を基に、工場全体をネック工程に同期させる生産を行うことにより、生産性が飛躍的に高まり、仕掛りや在庫が劇的に減少することを実証しました。そしてこの方法が「DBR」であり、実現のための手順が「継続的改善の5ステップ」です。

TOCの生産改善手法 (継続的改善の5ステップ)

TOCにおける生産改善はネック工程に同期させスループット最大化を実現する「継続的改善の5ステップ」により実現されます。

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◆第1ステップ 工場の物理的な制約条件を見つけることから始めます。スループット向上を伴わない改善はいったん対象から外します。
◆第2ステップ 制約条件資源を最後の一滴まで余すことなく使い切り、隠れた生産能力を引き出すことを実践します。その根底には、ネック工程といえども様々な要因で現実には能力を100%発揮しておらず、ネック工程が休止することは、サプライチェーン全体が産出するキャッシュを損失させるという事実があります。このステップでは従来の改善手法をネック工程に集中的に展開します。
◆第3ステップ 工程内の仕掛を最小限にし生産スピードを向上させるために、先頭の資材投入をネック工程の生産スピードに同期させてコントロールします。さらにネック工程の前にだけ、さまざな生産のゆらぎからネック工程を守るため、計画的な在庫(バッファー)を設置し、それ以外の工程は稼働率を高めるという考え方をやめ、仕掛在庫を持たないようにします。
このようにしてネック工程と先頭の投入工程だけを重点的に管理すれば、全工程の能力をバランスさせる事なしに、生産性向上と仕掛最小を実現できます。
◆第4ステップ 依然ネック工程が変動しなければ、初めて投資を伴った改善や人の採用を実施し、ネック工程の能力を向上させます。
◆第5ステップ 制約条件がどこに変化したかを注意深く見極めた上で、第1ステップに戻ります。

このようにTOCでの生産改善手順は、「継続的改善の5ステップ」により進められます。そして、TOCを導入した企業の多くは、この手順に沿った改善を行っただけで、経費や投資を増やさずに、30%以上のリードタイム短縮と在庫削減を実現しています。しかし、1.方針制約(しくみやルール)による活動の停滞、2.市場制約による需要不足など、新たな制約条件が生じることもあります。そのため、スループットを最大化するためには、生産現場の改善だけでなく、「思考プロセス」を用いた方針制約の解消や市場拡大が必要となります。

DBRの仕組み

DBRの特徴は、「工場の生産性はボトルネック工程の能力以上には絶対に向上しない」という原理を基に、ネック工程を中心に工場全体の活動をマネジメントすることにあります。DBRの導入によって、以下のことを実現します。

  • ボトルネック工程に集中して改善を行い、短期間で全体の生産性を引き上げる
  • ボトルネック工程の生産スピードと生産着手のタイミングを同期させ、生産プロセス内の停滞時間を削減、リードタイムを大幅に短縮する
  • "管理すべき工程"と"管理すべきでない工程"を識別し、工場全体を極めてシンプルにコントロールする

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生産能力が最も低い工程3に他を合わせることにより、スループットを最大に。

DBRの導入による効果は目覚ましく、短期間で劇的な改善を可能にします。その仕組みはあくまでシンプルなものであり、自律的に管理でき、継続的に運用が可能な仕組みをビルトインします。

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エリヤフ・ゴールドラット著「ザ・ゴール」のDBRを導入後3ヶ月の平均的成果(当社調べ)

さらに詳しいDBRの解説をお読みいただけます >>>pdf_icon.jpg

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